トランプ大統領
「WTOは米国にひどい扱いをしてきた。もし米国を公正に扱わなければ我々は何らかの対応を取る」(2018)

「WTOからの脱退」深まる対立

トランプ氏はWTOからの脱退を示唆。また紛争解決に当たるWTOの上級委員会は、トランプ政権の反対で裁判官役の委員の補充できず、実質的に機能停止に陥っています。

そして今、関税問題でのトランプ氏の強硬姿勢に対して、世界各地で“反米”デモが。

バンクーバーのデモ参加者
「私たちはこの戦いをやめない!」

パリのデモ参加者
「トランプ氏は、気まぐれで貧しい国々の経済を根底から覆している」

さらに関税を巡って、対立をエスカレートさせているのが、「アメリカ」と「中国」です。

中国外務省 林剣報道官
「関税戦争も貿易戦争も勝者はいない。中国は望んでいないが、戦うことを恐れはしない」

世界一位と二位の経済大国の間で進む「デカップリング」(経済の切り離し)。しかし、この両者の貿易額は巨額で、お互い重要な貿易相手でもあります。

「グローバル化」が進み、「相互依存」を深める今の世界。そこに大きな亀裂を生んだトランプ関税の危険性を専門家は…

上智大学教授 川瀬剛志さん
「今、アメリカがやろうとしていることは『権力で相手に言うことを聞かせよう』としている。みんながそうなれば、ルールによる自由貿易体制は崩壊する。相手から資源や食料を買っている時に、戦争はすごくコストがかかる。 貿易があることで、相互理解が進み、紛争になりにくい。経済的な結びつきが弱まることで、距離ができるのは、理屈の上ではありうる」

まるで現代の“鎖国”ともいえるようなトランプ関税。国際社会に新たな火種が持ち込まれようとしています。

2025年4月13日 放送より