富山県高岡市伏木地区の「伏木曳山祭」で、ことしは曳山の巡行ルートを去年より拡張して実施することが決まりました。能登半島地震の爪あとが残る中、7つの町すべての山車(やま)が、全町を巡行する方向で調整が進んでいます。

江戸時代後期から200年以上の歴史がある、高岡市の無形民俗文化財「伏木曳山祭」。重さ8トンのちょうちん山車が激しくぶつかり合う「かっちゃ」が見どころですが、能登半島地震による液状化被害の影響で去年の祭りは無観客とし、規模を大幅に縮小して行われました。
「伏木曳山委員会」は9日の総会で、去年より巡行ルートを拡張して祭りを実施することを全町一致で決定しました。
山車が通れるようになったのは玉川公民館から玉川中央公園前までの道路で、これによって去年は2つに分断されていた巡行ルートがつながります。

去年、曳山の巡行は寶路町(ほろまち)を除く6町が行いましたが、ことしは7つの町のすべての山車が同じルートで巡行する方向で調整が進んでます。

伏木曳山委員会 米谷和也総々代
「なかなか震災前、コロナ前の状況には戻っていないというのが現状だという風に思っています。その中でみなさんの思いを少しでもすり合わせて、共有して、みなさんに喜んでいただけるような祭りをぜひ進めていきたいと思っております」

祭りを運営する「伏木曳山祭実行委員会」によりますと、山車同士が激しくぶつかる「かっちゃ」の実施については、検討中だということです。
また、観客については、伏木地区外からの誘客を行わない方向で調整しています。

これは、現在も、道路の復旧工事が続いていることや、十分な駐車場の確保が困難であるためです。

伏木曳山祭実行委員会 針山健史会長
「昨年は震災直後ということもありましたけども、ことしは復旧途中ということでいろんなところに工事中や通行止めのところも地域の中では散見されるわけではありまして、(かっちゃは)やりたい方向でおりますけどもどこで何時にはまだ発表する段階ではないと」

伏木曳山祭は5月16日、17日に行われる予定です。