「フジテレビがやばい」という問題で片づけるべきではない

文芸評論家 三宅香帆さん:
今回、第三者委員会が発足されましたが、職場だけでなく人間関係のトラブルに第三者が入ることはすごく大事なことだと思います。調査報告書を読んでいると、元アナウンサーの方が誘われて、迷った時に第三者に相談できる相手がいたら、全然違うことになっていたと思います。
おそらく、相談できる・したいと思えるような心理的安全性のある第三者が職場に見つからなかったのだと思います。
これから、いろんな改善がされていくと思いますが、職場で嫌なことがあった時、相談できる第三者をどうやって見つけるかということも含め、いろんな議論がなされてほしいと思います。
出水麻衣キャスター:
今回、(報告書で)初めて知ることも多くて、やりきれなかったという元女性アナウンサーのコメントは重いと感じました。

TBS CROSS DIG with Bloomberg CCO 竹下隆一郎さん:
私も報告書を読みました。273ページあって、読むたびに手が震えてくるというか、絶望ですね。元女性アナウンサーは、きちんとフジテレビ側に相談をしていましたが、その社員が助けるどころか、中居氏とのお金のやり取りを仲介したり、弁護士を紹介したりするなどしていました。
私が一番心配しているのは、今被害に遭っている方がこれを読んで「(会社に)相談しても加害者側に立ってしまう会社なんだ」あるいは「日本の会社はそうなんだ」と思ってしまうのではないか。そう思った時の絶望はいかほどなのかということです。
いろんな再発防止策も書いてありますが、制度だけ作れば良いという訳ではなく、魂を込めないといけません。この会社・制度に相談すれば少なくとも聞いてくれる。聞いて受け止めてくれるという雰囲気作りを、日本社会全体で作っていくことがすごく大事だと思います。
まさに新入社員が入ってくるこの時期に、これでは駄目だと思います。何かあったら誰かが聞いてくれる企業だという雰囲気を作っていかなくてはいけないと、改めて思いました。
文芸評論家 三宅香帆さん:
「フジテレビがやばい」という問題で片づけるのではなく、女性は何となく似たようなことを見たことある方も多いと思います。そういう人が声を上げていけるような社会にみんなでしていかないといけないと思います。