キャベツの輸入量は約42倍に 国産への影響は?

出水キャスター:
そんな中、「輸入量42倍」という数字に注目です。

財務省の貿易統計によると、キャベツの輸入量は2024年1月の410トンから、2025年1月には約42.6倍の1万7483トンとなっています。
輸入キャベツは、国産と比べると大きく、カット野菜の加工業者などが使用しているということです。
国産と海外産は、どのような違いがあるのでしょうか?
スーパー「アキダイ」 秋葉弘道 社長:
国産キャベツにも大きいものはあるのですが、2025年は雨不足で大きく生育しなかったため、「国産キャベツは小さい」といわれているのだと思います。
今の時期に流通している“春キャベツ”など、国産は柔らかいです。
一方、海外産のものは“冬キャベツ”といわれているように、硬くて重みのぎしっとしたものが多いですね。
井上貴博キャスター:
これまでずっと「野菜の値段が乱高下している」と報じられてきました。
要因が天候だけなのか、物価高による物流費などの高騰も影響しているのか…どこを手当てすれば落ち着いてくるのか、見えてきません。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
どちらもあると思います。
天候の不順や暑さに品種改良が追いついてない可能性もあるので、そこをテコ入れする必要があると思います。
また、トラックで運送するときの物流の値段も上がってきているので、そこをサポートしていく必要もあります。
包括的に、日本国内で国産のものがちゃんと生産できるよう、食料安全保障の観点からサポートしていく必要がありそうです。

出水キャスター:
実際、海外からたくさんキャベツが入ってきています。
あるカット野菜加工業者では2024年12月下旬から中国産を使用しており、1日15トン使っているうちの半分が輸入キャベツだということです。
担当者は「輸入のメリットは安定した量と価格」としていますが、これだけ海外の輸入品が入ってきてしまうと、何か影響はあるのでしょうか。
スーパー「アキダイ」 秋葉弘道 社長:
海外のものが入ることによって、敵が増えるという感じでしょうか。
海外から入ってくるという実績ができてしまうと、国産キャベツを作っても契約できる部分が少なくなったりするでしょう。
カット野菜は価格があまり変動しないため「キャベツが高いからカット野菜に」と需要が増えた部分もありますが、海外のものが入ってくることについては、日本の農業を守るためにいろいろ考えなければいけない部分がありますよね。
出水キャスター:
輸入キャベツが増えると、スーパーなどに出回る国産キャベツの価格が下がってくるとみられていますが、国内の農家を守るためにはどうすればいいのかという議論もあります。
ただ、このような中でも明るい話題があるそうですね。

スーパー「アキダイ」 秋葉弘道 社長:
神奈川・三浦産の春キャベツは、大きい玉に変わっているので、これから先は安くなります!
仕入れルートにもよるので一律には下がりませんが、これから先は確実に価格が下がるでしょう。
井上キャスター:
国産を守りながら、輸入とどう競争しながらやっていくかということなのかもしれません。
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<プロフィール>
秋葉弘道さん
23歳でスーパー「アキダイ」創業 青果のプロ
年間テレビ出演本数300回超
馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事 “日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説