「小浜ルート一択」の姿勢の福井県 県民は賛否分かれる
一方、「小浜ルート一択」として主張を曲げないのが福井県です。2025年の冒頭で杉本知事からはこんな発言が飛び出しました。
福井県・杉本達治知事「私、個人の初夢として申し上げれば小浜・京都ルートの中では小浜先行開業もあるのではないか」
福井県民「行くなら乗り換えなしで行ってほしい。直通で」「私は小浜を通っていった方がいいと思う。これから何が起きるかわからないし。東京で地震が起きたら別のルートがあるのはいい」「もともと新幹線はいらないと思っている。特急のほうが便利だったから」「米原へ入ってくるのが一番便利がいいと思う。そのほうがスピードが速いし、乗り換えの不便さはあるけど」

石川県で高まっている米原ルートでの延伸を想定した場合、東海道新幹線への乗り入れによってダイヤが過密になり、必要な運行本数を確保できないことなどが懸念されています。
交通政策に詳しい京都大学の中川大名誉教授は次のように話しています。
京都大学・中川大名誉教授「米原ー新大阪間の場合は「ひかり」「こだま」に乗っている人があまりいなくて、ほとんどが「のぞみ」に乗っているので、「のぞみ」の本数を変えないまま「ひかり」「こだま」が走っている時間帯に北陸新幹線が1時間に2-3本入ってくるということはダイヤ上必ずできるはず」
JR西日本とJR東海で運行管理システムが異なるため変更に費用がかかるとの懸念に対しては、「建設費とのバランス」も鑑みた総合的な視点が必要だとしています。
ルートの選定は、沿線各地の政界や経済界の思惑が交錯する綱引きをくりかえしながら、一度は決定したものの出口が見えない状況が続いています。
石川県選出の自民党国会議員は、米原ルートでの建設費などについても詳細な数字を提出して比較できるよう求めていくことにしています。
住民の声をくみ、広い視野に立った議論や判断を期待したいところです。