なぜ、波野が狙われたのか

あれから30年。波野の住民たちが見張り小屋を建てて教団を監視していた跡地は雑草に覆われ、見る影もありません。

見張り小屋があった場所

現在は教団とは無関係の民間企業が利用し、住民の間でも当時のことが話題になることは減ったといいます。若い世代にとっても「地下鉄サリン事件」は過去の出来事になりつつあります。

――地下鉄サリン事件を知っていますか?
15歳「知らないです」
15歳「知ってはいます。深い話は知らないけど」
18歳「地下鉄にサリンをばらまいて、大量に死者を出した。その時に生きていなかったので、オウムは恐いイメージだけが少しある」

高宮さんが懸念するのは事件の風化です。

高宮さん「30歳以下の人は知らない訳だからね。人口が少ないから波野が狙われたと思う。人口が増えないと、今後も危ないことがあるということ」

当時の若者などがオウム真理教に入り、その後起こした凄惨な事件。繰り返さないための取り組みは今も求められています。