15万枚の屋外ロケ写真は失われた風景を記録
25万の写真はおよそ10万枚がスタジオでの撮影写真です。実は、それより数が多い15万枚は社外でのロケ写真です。インターネット普及以前は、セット作成のための資料は実際に屋外で撮影しないと細部がわからないという事情がありました。そのために森羅万象、全国津々浦々の昭和の記録が残っています。
例えば、去年のドラマで話題になった昭和の「炭鉱」の写真を見たいとします。「海に眠るダイヤモンド」の製作班はこうした資料写真をあちこちに求めたことでしょう。
「過去アーカイブミュージアム」には参考になる写真があります。第一類の「炭鉱、採石場、石切り場」を開きますと、北は北海道から南は九州までの炭鉱のファイル群があらわれます。その中に、軍艦島の写真はあるでしょうか。残念ながら、それはありませんでしたが、同じ「長崎県平戸」の写真がありました。平戸の高島炭鉱は軍艦島とならぶ有数の炭鉱でした。

「海に眠るダイヤモンド」は昭和30年からの軍艦島を舞台にしていました。昭和30年代の炭鉱労働の様子はないかと探しますとこの「過去アーカイブ」から次のような写真をみつけることができます。

昭和35年の常磐炭鉱です。映画の「フラガール」で有名な炭鉱です。現在はスパリゾートハワイアンズと姿を変えました。当時は女性たちが石炭の選別か何をしていたようです。ドラマでは採石は男の仕事でしたが、女性たちのこうした仕事もあったことがわかります。