お米マイスター直伝!備蓄米を美味しく食べるコツ

日比キャスター:
3月下旬にも流通する見通しの15万トンの備蓄米は、2024年産は10万トン、2023年産が5万トンとなっており、2023年産の備蓄米は“古米”となります。しかし、備蓄米が販売される際、“備蓄米”を表記する決まりはありません。味や品質は問題ないのでしょうか。
寿司店の「大黒鮨」瀬山幸治さん曰く、「新米だけだと炊き上がりが柔らかいので古米をブレンドします」とのこと。
あえて新米だけよりも古米をブレンドすることによって食感がより良くなったり、水分のバランスがとれるといったこともあり、大手の寿司チェーンでもあえて古米を使用するお店もあるそうです。味は工夫次第で美味しくいただそうです。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
普通の食品には賞味期限がありますが、お米にはブレンドされた時期は書いてあるものの、賞味期限は書いていません。そういった制度がないので安心して味を楽しむことができます。

日比キャスター:
五ツ星お米マイスターの西島豊造さんによると、政府の備蓄米は玄米のまま15度以下の温度の「冬眠している状態」で保管されているため、味の違いはほぼないそうです。

ただし、精米をしてしまうと劣化が早くなってしまうため、水分が抜けて食感がぱさつきやすかったり、少し酸っぱい匂いがあったりといった特徴があります。

古米の劣化を防ぐために、まずは購入後すぐに密閉できるような容器に移して野菜室に保管するのがオススメです。
美味しく食べられる目安は精米から約1か月半程度で、劣化が進むとコメの表面が酸化し、手で揉むと白い粉がつく状態になってしまいます。金属製のザルに1~2分こすりつけて表面を削り落とす“再精米”をすることにより、酸化した部分を落とし、より美味しく召し上がることができます。

また、匂いも少しついている可能性もあるのでドライカレーやチャーハン、牛丼、かつ丼など味の濃いものにオススメとのことです。コメの流通に見通しが立たないため、上手に古米と向き合っていきたいですね。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
プロの方もあえてブレンドしてるぐらいなので話を聞いて本当に安心しました。
山内キャスター:
プロの手に渡ることも大事ですが、普通の消費者にも備蓄米が回ってくると良いなと思います。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者
1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など