中国外務省は、イランの核開発問題について話し合う会合を北京で行うと発表しました。会合にはロシアも参加します。

中国外務省の毛寧報道官は12日の記者会見で、イランの核開発問題について協議する外務次官級の会合を14日、北京で行うと発表しました。イランのほかロシアが参加します。

イランの核開発をめぐっては、アメリカのトランプ大統領が最高指導者のハメネイ師に交渉に応じるよう呼びかけていましたが、イランはこれを拒否。

中国政府にはトランプ政権が核開発についての交渉を呼びかけるなど、イランとアメリカの関係が流動的になる中、3か国で会合を行うことにより、アメリカとの向き合い方について足並みをそろえようとの狙いがあります。

中国とロシア、イランの3か国は9日から中東のオマーン湾周辺で海軍の合同軍事演習を行うなど、緊密な連携を維持しています。

また、中国は去年、パレスチナ自治政府内の和解協議を取り持ったほか、おととしにはイランとサウジアラビアの国交正常化を仲介するなど、中東地域の平和と安定に積極的に関与していく姿勢を示しており、イランの核をめぐる議論に参加することで、中国の国際社会における存在感を示す狙いもあります。

こうしたなか、イランのアラグチ外相は12日、アメリカのトランプ大統領がイランに対して送った核開発をめぐる交渉を呼びかける書簡について、「まもなくアラブ諸国の代表者が届けてくれる」などと述べました。

トランプ氏は書簡を5日に送ったことを明らかにしましたが、イランの国連代表部は「受け取っていない」としていました。ただ、イランの最高指導者ハメネイ師は「アメリカとの交渉は賢明ではない」などと交渉の呼びかけに応じない姿勢を示していて、進展するかは不透明な情勢です。