SNSでは政策より「対立構図」を好む傾向 選挙が金儲けの場に?
東京大学大学院鳥海不二夫教授の分析です。Xにおける斎藤知事への投稿を見てみると、10月31日に告示されてから支持と不支持では支持が多かったものの、11月10日には不支持がぐっと増えて18万件を超え、支持を超えました。そして投開票日である11月17日の前日には、わずかに支持が超えるようになっています。
東京大学大学院鳥海不二夫教授は
・斎藤氏陣営がSNSを効果的に活用した
・立花氏らインフルエンサーの影響が大きかった
などと、ネットは旧来のメディアよりも大量の情報が提供できると分析しています。
アメリカでは2016年のアメリカ大統領選挙で「SNSと選挙結果がリンク」することが証明されています。
民主党のクリントン氏はテレビ宣伝費に5200万ドル活用しましたが、共和党のトランプ氏がテレビ宣伝費をゼロでSNSを活用し大統領に選出されました。
SNSでは政策より「対立構図」を好む傾向があるということで、山口准教授は「自分は既得権や悪と戦っている」という対立構図をSNSで強調すれば有利になるとの見解を示しています。
過激な意見ほど注目拡散されるため広告収入や注目度を求める、インフルエンサーが多く参加することになって、選挙がイベント化したり、金儲けができるプラットフォームになってしまっているのではないかとも懸念しています。
SNSの注目度と選挙結果がリンクする影響を山口准教授に聞きました。
プラス面
・政治の関心が高まる
・投開票が上がり民意がより反映
マイナス面
・極端な意見ばかりが注目され社会の分断が加速
・民主主義における合意形成が難しくなってしまう
時代に合った選挙改革のポイントを山口准教授に聞きました。
■フォロワー数や広告収入のため”選挙参入”する対策として、選挙期間中はプラットフォーム側が収益化を停止すること
■マスメディアがファクトチェックや調査報道を、中庸な人に向けてしっかり行う
■マスメディアは取り扱ったニュースをSNSの中で、分かりやすく工夫して伝える