ビジネスの国際化が進む中、英語でのミーティングに苦戦している日本人ビジネスパーソンは少なくない。しかし、“ビジネス英語のプロ”で社会言語学者の瀧野みゆき氏によれば、英語ミーティングを乗り切るためのスキルは十分に身につけられるという。瀧野氏が提唱する「ELF(English as a Lingua Franca)」の考え方や、効果的な英語学習法について解説する。

ELFとは?ネイティブよりノンネイティブが多い世界

ELFとは「English as a Lingua Franca(共通語としての英語)」の略称だ。瀧野氏によれば、「共通語としての英語は、違う国の人たちをつないでいく言葉、違う母語を持つ人たちをつなぐ言葉」であり、ネイティブスピーカーが中心ではない多様性のある言語環境を指す。

実際、世界の英語話者の中でノンネイティブスピーカーの数がネイティブスピーカーを上回っている。このような状況下では、完璧な英語を目指すよりも、互いの違いを理解し合いながらコミュニケーションを取ることが重要となる。

瀧野氏は「英語の上手下手っていうのは、別にその人の努力とか才能をそのまま反映してるわけじゃない。だからそれを違いと考えたら謝る必要ないじゃないですか?」と語る。英語力に自信がない場合でも、「I'm sorry that my English is poor」といった謝罪は不要だ。代わりに、ミーティング後に「Thanks for your understanding」と伝えることで、相手への感謝の気持ちを表現できる。