「先輩、手を見てください 本当にやばいことが起きています」

午後10時35分ごろ美智恵さんの夫は3階のリビングで息子と一緒にテレビを観ていた。

外からパトカーのサイレンの音が聞こえ、台所の小窓から下を覗くとたくさんの警察官がいるのが見えた。

下へ降りていくと、ちょうど2階の玄関前に続く階段を警察官も上がってきたところだった。

警察官は、屋外の血痕を追いかけて、2階の玄関までたどりついたようだった。

裁判でこの警察官は「ビルが犯行現場だと思ったので周辺を捜索した」と証言している。

2階の玄関の鍵がしまっていたので、広瀬被告と美智恵さんの母親が鍵を開けた。

部屋に入った警察官と美智恵さんの兄は、寝ていた広瀬被告を起こし声をかけた。

美智恵さんの兄「あにき、美智恵は?」
広瀬被告「寝とったけん、分からん」

警察官「先輩、自分の手を見てください。本当にやばいことが起きています」
広瀬被告「覚えていない、寝とったけん」

この時、広瀬被告の手や衣服には血がついていた。

広瀬被告は警察署に連行され、その後、妹への傷害致死の罪で逮捕された。