大晦日 気のおけない家族や知人と楽しいはずの飲み会が・・・

事件が起きたのは2023年12月31日、大晦日の夜だった。

(以下、検察の冒頭陳述や裁判での証言などによる)

この日、廣瀬被告は田川警察署糸田交番で24時間勤務を午前9時に終え、北九州市門司区にある実家に向かった。

新型コロナの影響もあり、3年ぶりの年末年始の帰省だった。

実家に着いた広瀬被告は、昼過ぎに妹の美智恵さんたち家族と寿司店に向かう。
寿司店を出たあとは知人も加わり、焼き鳥店、スナックとはしごし、飲食は午後0時40分ごろから午後9時すぎまで続いた。

徒歩で帰宅中、広瀬被告は知人に「もう1軒行こう」などと何度も誘ったが、妹の美智恵さんが「にいちゃん、きょうはもうダメよ」と言って止めた。

午後9時半ごろ

広瀬被告と妹は、実家に到着し知人と別れた。

実家は4階建てのビルになっていて、1階にシャッターの出入り口があり、1階から4階まで内階段でつながっている。
広瀬被告の寝室は2階にあり、妹の美智恵さん一家が過ごす部屋は3階にある。

2人は階段を上がり2階の玄関前まできたが、広瀬被告が玄関のドアの縁をつかんで中に入ろうとしない。

自分の部屋に戻るように言う美智恵さんと2階の玄関前で押し問答になり、腹を立てた広瀬被告が美智恵さんの顔面などを複数回殴り、その後1階の屋外に運び出した。

午後9時55分後ごろ

通行人が路上にうつぶせに倒れている美智恵さんを発見し110番通報した。

発見時、美智恵さんはズボンが膝下まで、下着も太もものあたりまで下がった状態だった。