美濃焼作りに欠かせない明治時代の隧道

地元の地域振興会の方によると、“謎の道”にある隧道は「三滝(みたき)トンネル」と名付けられており、1886年(明治19年)竣工とのこと。

200年以上前から、伝統工芸品である美濃焼(みのやき)を作り栄えてきた市之倉は、窯で焼く時に必要な松の木を隣の諏訪町から仕入れ、運搬に“謎の道”が使われていたそう。負担を減らすため、急勾配にならないよう道をつづら折りにしたとも言われています。

また、県道ができる1969年までは、“謎の道”が市之倉と他の地域を結ぶ重要な生活道路として利用されてきました。

「三滝トンネル」は2023年に安全対策で補修されましたが、道の歴史を少しでも感じられるようにと、一部だけ素掘りの場所が残されていることも判明。内側はコンクリートが吹き付けられ補強されていますが、中間あたりは当時のまま、削られた岩がむき出しになっています。

現在、ニュータウン「市之倉ハイランド」の住民が古虎渓駅へ行くため、“謎の道”はショートカットできる道として使う時もあるようです。

2024年4月2日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より