元財務官僚「忖度せず、専門性で勝負するべき」

 そして今、財務省の危機が叫ばれています。2014年、安倍政権時代に「内閣人事局」が設置され、官僚人事に対する官邸の力が増大。その結果、政治家に対する官僚の「忖度」に批判が集まりました。しかし今は、「103万円の壁」の議論をめぐり“逆向き”の財務省批判が強まっています。つまり、「官僚は政治家の言うことを聞きすぎ!」から「政治家は官僚の言うことを聞きすぎ!」へと、批判の向きが変わっているのです。

 こうした状況に森信氏は「今の財務省は政治に深入りしすぎていると思う。忖度せず、なおかつ、専門性で勝負するべき」だと言います。さらに、財務省などの官僚の“人気”がなくなり離職する人が多くなれば、例えば外国との交渉において「現状を分析し戦略を立ててペーパーを作る力が弱まると、国益を大きく損なう」と森信氏は指摘します。

 今も各地のデモで批判が向けられている財務省。皆さんは、どうお考えでしょうか?