なかなか下がらないお米の値段。政府はコメは足りていると繰り返していますが、生産の現場である農家からは「増産を頼まれる」という困惑の声も聞こえてきています。
土ぼこりをあげて走るトラクター。行われているのは、今年の新米の作付けの準備です。
こちらの農家では、今年140トンのコメを収穫予定。普段は3月中旬ごろからする作業だといいますが、今年は1か月前倒しているそう。その理由が…
岡田農園 岡田伸幸 代表
「売り先が決まっちゃっている状況ですね」
まだ影も形もありませんが、すでに新米は予約で完売してしまったというのです。お米を求める声は後を絶たないといいますが…
岡田農園 岡田伸幸 代表
「(生産量を)増やすためには機械が必要になりますし、準備が必要ですから、急に増やせと言われても、ちょっと対応はできないですよね」
生産の現場から困惑する声があがる中、きょう、農水省で行われたコメの生産業者などが参加する意見交換会。ここで議題にあがったのも「今年、どれくらいコメを作るか」でした。
参加者からは、こんな意見も…
卸売業者
「潤沢に回るような生産拡大を希望している」
生産者
「生産は増やしにくい、維持するので手いっぱいなのが現状」
政府はこれまで「コメ不足は流通が滞っているため」との主張を繰り返しています。しかし、現場の農家に寄せられている声は…
岡田農園 岡田伸幸 代表
「もっと作ってくれ、もっと増やしてくれということは、よく言われます。そばを転作していた部分は、水田に戻そうとは考えています」
このほか、日本酒用に作っていたコメを減らすなどして生産量を確保しているといいますが、これ以上増やすことはできないと頭を悩ませています。
一方、農林水産省が毎週まとめている全国のスーパーのコメの販売価格をみると、今月10日から16日までに全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は前の週から62円高い3892円。7週連続の値上がりとなり、去年の同じ時期に比べ、1.9倍にまで値上がりしています。
参加した卸業者
「昨年の新米商戦が在庫がなかったことから、例年より1か月早い商戦になった。(コメの価格が)同じような推移をたどる可能性がある」
終わりが見えないコメの価格高騰。備蓄米の放出で価格が落ち着くのか?今年の見通しは、まだたちません。
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