“停戦”めぐり揺れ動く市民感情

小川彩佳キャスター:
戦闘が残す傷跡の深さは、時間を重ねるごとに増していきますね。
ロンドン支局 城島未来記者:
キーウの広場では、この3年間の戦闘で犠牲になった人々を悼む旗や、亡くなった兵士の遺影が隙間なく並べられています。
取材した最愛の人を亡くした女性たちにとって、この3年という節目は何も意味を持ちません。ただ、元に戻すことのできない苦しみが続くだけです。
藤森祥平キャスター:
トランプ大統領がロシアと進めようとしている停戦交渉に対しては、市民の皆さんはどのように感じているのでしょうか。
城島記者:
停戦交渉についてウクライナの人々は、「ウクライナのことをなぜウクライナ人が話すことができないのか、参加することができないのか」といった憤りの声をが多く聞かれます。
また「侵略を受けて戦闘に耐えて、声すら聞いてもらえない。どこまで自分たちをないがしろにするのか」といった怒りの声です。
トランプ氏の発言を受けてゼレンスキー氏を支持していなかった国民も、「私達の大統領を悪く言っていいのは自分たちだけだ」というムードが高まっていて、皮肉にもトランプ氏の攻撃が国内のゼレンスキー氏の支持を高めているというような指摘もあります。
ただロシアによる侵攻が4年目となる中で、疲弊した人々の戦争終結に対する思いや考え方というのは、徐々に変わってきています。
「領土の一部を手放してでも停戦して、外交努力によってそれを取り戻すべき」
「領土を手放してはいけない、いま停戦に合意しても、ロシアが再び侵攻してこないという保証はない」
「死んでいった兵士たちのためにも戦い続けるべきだ」
など、様々な意見が聞かれていて、市民たちの心、その気持ちは複雑に揺らいでいます。














