行き詰った現場協議

協議を重ねていく中で、前出のベテラン議員の読み通り現場協議は行き詰っていく。
与党側が維新に提案した教育無償化をめぐる案はこうだ。
▼来年度から公立私立問わず高校生の子を持つ世帯に11万8800円の支援
▼再来年度から私立高校に通う高校生を持つ世帯への支援については継続協議を行う
2段階方式で、来年度は11万8800円の支援のみ。再来年度に私立高校の無償化に向けて金額や方法についての協議を継続するというもので、合意文書をもって妥結できないかというものだった。維新が求めている来年度からの私立も含めた無償化の実現には程遠い内容だった。自民関係者からは「なんとか再来年度の私立については具体的な金額を提示せずに合意に至りたい」という本音も漏れ聞こえてくる。
しかし、維新にとって自民党との「合意文書」にはトラウマがある。去年いわゆる旧文通費の公開をめぐる改革で党首間の合意文書を反故にされたことがあり、合意文書に対しアレルギー反応が強いのだ。案を見たとある維新幹部は「これじゃあ到底、妥結できない。
実効性を担保するため議員立法でプログラム法を今国会で成立させることや、再来年度の支援について具体的な金額を記入させるのはマストだ」と顔をしかめていた。そのため、維新は当初から求めている来年度から63万円を基準額とし私立高校の無償化も実現してほしいとする要求を維持し続け与党と維新の議論は暗礁に乗り上げたように見えた。