「目の前で4人が射殺された」犯罪集団による“恐怖支配”の実態とは

詐欺拠点の内部で撮影された映像には、体を縛られ仰向けに寝そべる男性のそばに、棒のようなものを持った男らが立っています。すると一瞬、青い火花が見えました。スタンガンでしょうか。その後も何度も電気ショックを与え、抵抗する男性を蹴ったり、髪を掴んで引きづったりする様子が捉えられています。
中国・上海市に住む許博淳(キョ・ハクジュン)さんも監禁され、暴行を受けました。2023年、SNSで映画の仕事に応募したところ、騙されてミャンマーに連行されたといいます。

詐欺拠点で監禁された 許博淳さん
「彼らは、白色の硬い棒で、私たちの尻や太ももを何度も激しく叩きました。この暴行は『逃げられない』『逆らえない』と理解させるための儀式のようなものでした」
こうした恐怖支配により、詐欺行為に加担させられていたという外国人たち。さらに、許さんは“殺人”まで目撃したと話します。
詐欺拠点で監禁された 許博淳さん
「ある日、収容されていた人たちが傭兵の銃を奪おうとして、4人がその場で射殺されました。他の7人も銃弾を足に受けました」

また、タイ当局に保護された16歳の男子高校生は、日本人を標的にした詐欺を強要され、命令に背くと「腕立て伏せをさせられたり、電気ショックを受けたりした」ということです。
私たちは取材を進め、日本人が監禁されているとみられる詐欺拠点を突き止めました。
記者
「軍の兵士が、『指示があるまで勝手に動くな』と言っています」

「丘に囲まれたところに...今も建設しているのでしょうか、白い集合住宅のような建物が見えてきましたね。あそこに拠点があって、日本人などたくさんの外国人が監禁されているものとみられます」
すると…

記者
「いま我々の姿を見たからなのでしょうか。武装したミャンマーの人たちがぞろぞろと出てきました。こちらを警戒している様子も見えます」
監視の目にさらされ、現場では常に緊張感が漂っていました。