TJカゴシマを出版する鹿児島市の斯文堂です。休刊を決めた理由の1つが、紙の仕入れ代。ここ数年で1.8倍に値上がりするなどコストが年々増加していたといいます。

さらに、広告収入は、20年前のピーク時から4分の1に落ち込んでいることなどから、来月の539号を最後に休刊することを決めたといいます。

(斯文堂出版事業部 齋藤賢吾統括部長)「正直、悔しいという気持ちは編集者としてずっとしてきたのである」

出版責任者の齋藤賢吾さんです。社内に1冊しか残っていないという、45年前の創刊号を見せていただきました。

(齋藤統括部長)「一番おもしろいと思うのが、喫茶店マップ。天文館の」

1980年5月25日の創刊号。「喫茶店」の特集には、白黒の手書きで天文館の喫茶店マップが掲載されています。

(齋藤統括部長)「手書きのほうが良かったのだと思う。一文字修正が入ったらどえらいことになるという時代だったと先輩から聞いている」

時代とともに変化する読者の好みをいち早くキャッチし、「情報量」で勝負してきたTJカゴシマ。地元の温泉を手軽に楽しめる割引クーポンの企画も人気だといいます。

(齋藤統括部長)「企画が上がってきた時には何を考えてるのっていう状態だったが、実際やってみて読者の反響とか温泉施設の反響とか、もちろん賛否両論あったが、新しい境地というか開拓できたかなとは思っている。鹿児島の人たちを動かしたいし、それがきっかけになってくれればなと思う」

従来の紙での発行は来月で終わりますが、今後は、SNSなどウェブでの情報発信を強化する考えです。

(齋藤統括部長)「より気軽に情報を見ていただけるのかなと。みなさんと一緒に鹿児島を盛り上げていきたい」

ウェブへと形を変えながら、鹿児島の暮らしを彩る情報を伝え続けます。