関西学院・植田選手「最後まで全員が体を張って前に出続けたことが勝利につながった」

 次のチャンスをどちらがものにするか。攻める報徳学園に対して激しいディフェンスをみせる関西学院。互角の攻防が続く中、21分に報徳学園にチャンスが訪れます。ゴール中央やや右より、22mライン付近で関西学院が反則。ワンチャンスでは逆転できない点差を考えて当然のようにPGを狙います。しかし、このキックは左にそれてゴールならず、追加点のチャンスを逃してしまいました。

 これでさらに勢いの出た関西学院。連戦の中、後半の苦しい時間帯になっても走力が落ちません。ここでも全員が前に出るディフェンスで報徳学園を自陣に押し込むと、ひとりひとりがしっかりと身体を当てながらじわりじわりと前進していきます。そして27分、ゴール前のスクラムからSH岩元厚樹選手が素早く仕掛けると、最後はNO8植田翔来選手が中央にトライ。CTB鈴木大裕選手がプレッシャーのかかるゴールを決めて、ついに19対17と逆転しました。

 それでも点差はわずか2点。残り時間は3分余り、報徳学園も再逆転を狙って懸命に反撃を試みます。ロスタイムに突入してミスが許されない中でもボールをつなぎ続ける報徳学園。しかし最後まで関西学院の分厚いディフェンスはくずれませんでした。

 同点トライを奪った植田選手が「今までラグビーをやってきた中で、一番うれしい(トライの)瞬間だった。最後まで、全員が体を張って前に出続けたことが勝利につながった」と語ったように、最後まで、前に出るディフェンスを続けた関西学院が、このまま逃げ切ってノーサイド。第100回全国高校ラグビーフットボール大会の兵庫県大会決勝以来の報徳学園戦での勝利で、見事にベスト4進出を果たしました。

京都成章vs常翔学園 「大阪の強豪」と連戦の京都成章が常翔学園を破る

 同じユニバー記念競技場で行われた第2試合は、2月15日(土)の1回戦で東海大大阪仰星との激戦を制した京都成章と、近大和歌山を寄せつけなかった常翔学園(大阪)の対戦。連日の強豪・大阪勢との対決と、疲労が心配される中でしたが、京都成章が前半から規律のとれた動きで主導権を握ります。

 ひとりひとりがあたりの強さを見せる常翔学園に対して、複数でのタックルと集散の速さで対応、連戦とは思えない運動量でチャンスを作り出していきます。そして前半9分、連続してラックを支配して攻撃を継続していくと、最後はポイントの一つ外側にいたCTB筒井珠生選手が、うまくディフェンスのギャップをついて中央にトライ。ゴールも決めて7点をリードします。

 さらに27分、今度はディフェンスから得点に結びつけます。自陣の深い位置から仕掛けてきた常翔学園の攻撃を分厚いディフェンスで跳ね返すと、FW陣が強烈なプレッシャーをかけてボールをもぎ取ります。このボールに素早く反応したPR落井甚哉選手がそのままトライゾーンにとびこんでトライ、ゴールも決めて14対0とリードして前半を折り返しました。