「備蓄米放出」は一時しのぎ “曲がり角”のコメ政策
ではなぜもっとコメを作らないのか。
再び安城の米農家、稲垣さんに尋ねると・・・。
(大石)
「いまコメが足りないと言われているので、農地を麦や大豆ではなくコメにしたらどうか?」
(農家 稲垣巨樹さん)
「コメばかりにしてしまうと、4月の田植えシーズンから稲刈りの時までがすごく忙しくなって、作業分散ができない状態になってしまう」

稲垣さんの農地65ヘクタールの内、コメを作っているのは30ヘクタール。
残りは麦や大豆を作っていますが、全てを稲作にすると人手が足りず、収穫は不可能だと話します。
国は価格維持などのため長年コメの生産を抑制する、いわゆる「減反」を続け、今も年間およそ3000億円の税金をコメの生産調整に使っています。

(農家 稲垣巨樹さん)
「高くなりすぎて消費者に手に取ってもらえない。コメじゃなくてパンにしようかな、麺にしようかなとなってしまうのはすごく残念なことかなと思うので、少しでも安定した金額で安定供給できるよう、国になんとかしてもらいたいという思いがある」
備蓄米の一部放出はあくまで一時しのぎで、日本のコメ作りは根本から見直す必要があるのかもしれません。