プーチン大統領が待つ“冬の到来”と“アノ人の再来”
ーーー『プーチン大統領が冬の到来を待っている』ということなのですが、これはどういった意味なのでしょうか?
「10月5日にサウジアラビアなどのOPEC(石油輸出国機構)が『石油の生産を削減する』ということを言ったでしょ。それによって石油の値段がポンと跳ね上がりましたよね。実はロシアはOPECには入っていないのですが、OPECと一緒に共同で石油の生産については削減など足並みを揃えるということがあるんです。このところロシアはとにかくサウジアラビアに働きかけて『石油を削減しろ』と言っていて、それがその通りになったんですね。つまりこのところ実は石油の値段は下がっていたんですよ。それが今度は削減するということになって急にまた石油の値段が上がった。さぁヨーロッパはこれから大変ですよね。冬を越すのが大変だということになると、ヨーロッパの中で『もういい加減ロシアに対する経済制裁はやめようよ。自分の国が1番だよ』という、そういう動きが出てくることを実は狙っているんだということですね」
ーーー自分たちがしんどい思いをしてまで経済制裁をするよりも、自分の国のことが第1でいいんじゃないか。そういう考え方になるのではないかと?
「そうやってヨーロッパで足並みが乱れることを待っている。だからあと2年くらいは頑張るということなんですよ」
ーーーまたプーチン大統領はトランプ前大統領の再来も待っているということですが?
「トランプ前大統領って、実は今回ロシアがウクライナに侵攻する前の段階でウクライナの国境沿いにロシア軍を展開したときに、実はトランプ前大統領はプーチン大統領のことを絶賛していたんですよ。天才的である、見事であると。つまりウクライナにああいう形で圧力をかけるということがすばらしいことだと実は絶賛していたんですよ。それが実際にウクライナに侵攻した途端、絶賛することは言わなくなったのですが、プーチン大統領のことを決して悪く言っていないんですよね。一切悪口は言っていないんですよ。トランプ前大統領って元々アメリカファーストでしょ。だからトランプ前大統領あるいはその周辺は要するにアメリカファーストだと。『なんであんなにウクライナに支援をするんだ。ウクライナはヨーロッパに任せればいいじゃないか。アメリカがそんなことをする必要はない』と言っている人たちがいっぱいいるので、2024年にもしトランプ前大統領がまた当選すれば、おそらくウクライナに対する支援をやめるんじゃないかと。だからプーチン大統領としては、2024年まで耐えれば本当にあの欧米の足並みが乱れてしまって自分たちが勝てるんじゃないかという、こういう長期戦を念頭に入れているということをとりあえず知っておいた方がいいだろうということです」