「記憶にないから分かりません」始まった裁判 被告は無罪を主張

そして事件から24年近くが経過した1月30日、広島地裁で初公判が開かれました。
傍聴席が満席となるなか、竹森被告は車いすに乗って法廷に入りました。
読み上げられた起訴状に対し、竹森被告は「記憶にないからわかりません」と否認し、無罪を主張しました。
裁判の争点は、「現場に残された血痕から検出されたDNA型が竹森被告の型と同じと言えるかどうか」です。
検察側は証拠として、遺留品に付着していた血痕から検出されたDNA型の鑑定結果などを提出しました。
過去に実施されたDNA型鑑定で、遺留品の靴下に付着していた血痕のDNA型を鑑定していて、その結果が竹森被告の型と一致したということです。
しかし、靴下に付着した血痕を2024年に再鑑定した際に検出されたDNA型には、「竹森被告の型と一致している」と断言できない箇所が複数存在していたということです。
一方、弁護側は「血痕のDNA型には竹森被告の型とは明確に一致しない部分も存在している。DNA型が一部でも一致していないのであれば原則、同一とはいえない」とし、血痕は別人の血液の可能性があるとして、無罪を主張しました。