静岡県三島市の県立高校で2月12日から3日間、生徒が自由に服装を選んで登校できる『カジュアル・デー』が実施されています。私服か、制服か。自主性や社会性について考えを深めてほしいと学校側は期待しています。

カジュアル・デー初日の朝。静岡県立三島南高校では、1年生と2年生の計400人のうち、324人が私服で登校しました。

<私服で登校した生徒>
「寒くない格好できました」
「この上の上着と靴を合わせるためにコーディネートしました」

<三島南高校生徒指導担当 勝間田知巳教諭>
「予想していた以上に生徒たちが積極的にカジュアル・デーを考えてくれたなという印象です」

三島南高校の生徒たちは普段、夏用と冬用の決まった制服で登校しています。今回、カジュアル・デーを初めて実施したきっかけは2024年の夏の猛暑。「気候に合わせた柔軟な服装選びが必要ではないか」と職員から意見が出て、学校側が企画しました。

<勝間田教諭>
「生徒たちが快適に学校生活を送る服装は制服以外に他に無いのか、いろいろ職員で検討した結果、今回のカジュアル・デーの実施に至りました」

当初、学校側は「華美ではない服装」といったルールを設けようとしました。しかし、生徒側から「基準が曖昧でわかりにくい」という意見が多く出たため、最終的に生徒の自主判断に委ねることにしました。

私服で登校した生徒からは好意的な声が聞かれました。

<私服の生徒>
「やっぱり私服は体温の調整がしやすいですし、個性も表現しやすいので僕は私服での登校の方が好きです」
「いつもよりも、みんな笑顔で楽しそうでした。雰囲気が明るくなりました」

一方、普段通り制服で登校した生徒もいました。

<制服の生徒>
「コーディネートとか決めるのがすごく大変だったので制服で来ました」
「やっぱり規則正しさとか表現できるかなていう点で、制服がいいかなと思いました」

これまで制服が「当たり前」だった学校現場ですが、服装の自由化は着実に進みつつあります。静岡県内の公立高校では、単位制による定時制をとっている「静岡中央高校」や2024年に開校した「ふじのくに国際高校」には制服がありません。

学校側は、今回の試みを通して自主性や社会性について考えを深めてほしいと期待します。

<勝間田教諭>
「学校生活を送る上で集団の一員としてTPOを守りながら、全員が快適に学校生活を送れるような配慮ができるような生徒になってほしいと思っています」

学校は、生徒からアンケートを取るなどし、より快適な学校生活につなげたいと考えています。三島南高校によりますと、私服での登校は県内の他の公立高校でも実施されたことがあるということです。今回、制服で登校した生徒の中には、みんなが私服を着て来るのか様子を見たという人もいるということです。