「70%使うもの」化学薬品が3割ほど値上がり
お邪魔したのは、亀山市にある伊藤煙火工業。
熊野大花火大会などに毎年関わっている創業117年の老舗です。花火業界の現状について教えてもらいました。

(伊藤煙火工業 伊藤照雄会長)
「(原料の)70%使うものが、ぐぐっと値が上がっている」
花火を作るには、延焼を促す硝酸カリウムや硫黄など、10種類以上の化学薬品が使用され、それらが軒並み3割ほど値上がりしていると言います。



(伊藤煙火工業 伊藤照雄会長)
「化学的に作るので、電気代とか(製造に関わる)もとから値上がりしている」
燃料費の高騰もあり、製造コストは必然的に上昇。また、火薬原料の多くが輸入品で、3年前に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻をきっかけに、全国的に原料不足が続いています。
火薬が砲弾用に流れていると見られ、供給が不安定になっています。さらに円安もおさまらず、仕入れ値は上がる一方。そのため、火薬原料1キロあたり3000円ほどだったのが、いまは約4200円になっているそうです。
コロナ禍で多くの花火大会が中止になり、ようやく心置きなく打ち上げられると思ったら、新たな困難。伊藤会長は、厳しい台所事情を打ち明けます。