大阪府の10月5日の新型コロナウイルス新規感染者数は3090人だった。過去最多は7月26日の2万5741人で、減少傾向にあると言える。しかしそんな中、コロナ後遺症の患者が急増している。大阪府に寄せられた後遺症相談件数は、7月が727件だったのに対して、8月は3054件で4.2倍になっている。オミクロン株は比較的症状が軽いとされているが、後遺症に関してはそうとも言えないようだ。後遺症外来の現場を取材した。

7月に感染…一旦仕事に復帰するも後遺症で休職

 東京・渋谷区でこれまで5000人近くのコロナ後遺症の患者を診察してきた「ヒラハタクリニック」。9月13日にクリニックを訪れたAさん(40代)は、第7波の流行真っ只中の今年7月に感染。一旦、仕事に復帰したものの、後遺症を発症して、現在まで2か月近く休職している。
 (Aさん)
 「余裕をもって復職したつもりだったんですけど、発症から1か月ぐらい経ってまた微熱が出だして、ひどいけん怠感が戻ってきて。風邪の症状とかだるいとか頭が痛いという一般的なありふれた症状なので、それって“ただの怠けなんじゃないか”って、皆さんそれで苦しんでいるんじゃないかな」

オミクロン株は症状軽いとされているが「後遺症はほとんど何も変わらない」

 ヒラハタクリニックの平畑光一院長によると、新型コロナウイルス感染者の約12%が後遺症を発症していて、けん怠感や頭痛に加えて、思考力が低下するブレインフォグ、脱毛、味覚・嗅覚障害など様々な症状が確認されている。
 ピーク時には全国で1日に約26万人の感染者が確認された第7波。オミクロン株の症状は軽いとされているが、後遺症にはあてはまらないという。

 (ヒラハタクリニック 平畑光一院長)
 「(症状が)軽いっていうイメージがある方はたくさんいらっしゃると思うんですけど、実はオミクロンに入ってからも、後遺症自体の一番重要な症状であるけん怠感とかブレインフォグとか頭痛とか、そういったものに関してはほとんど何も変わらないですね」