市山、細谷、川村は次戦がマラソン世界陸上代表選考レース
市山は3月2日の東京マラソンに出場する。過去2回、2時間7分台を出している選手。21年2月のびわ湖マラソンは気象条件に恵まれ好記録が大量に出た大会で、市山は2時間07分41秒で走ったが13位だった。それよりも23年2月の別大マラソンの方が評価できた。2時間07分44秒で日本人トップの3位と快走した。その2回の2時間7分台のときよりも、練習のレベルも代表を狙う意識も上がっている。
「距離走はあまり得意ではないのですが、1月の実業団連合合宿で、40km走も間のスピード練習も、疲労を残さず継続してできました。力がある人と一緒に練習ができたことが今日のタイムにつながりました」
東京マラソンでは2時間06分30秒の世界陸上参加標準記録を破ることで、選考の俎上に上がるが、現実的には2月2日の別大マラソンで若林宏樹(22、青学大4年)が出した2時間06分07秒を上回る必要がありそうだ。
「一昨年までのレースはMGC出場権がかかっていて、MGC出場が目標になっていました。それではMGCに出ても戦えません(23年10月のMGCは2時間11分15秒で13位)。今度の東京マラソンは2時間5分切りが目標です(日本記録は2時間04分56秒)。2時間06分30秒を目指しても切れないでしょう」
1時間00分43秒で8位の細谷恭平(29、黒崎播磨)も、2月24日の大阪マラソンで東京2025世界陸上代表を取りに行く。
「予定通りの自己新、1時間01分以内で走ることができました。マラソンに向けて状態が上がってきていることは確認できましたが、ここがピークではありません。走っていても、ピークじゃないことはわかりました。マラソンへの課題としては、ラストの直線で2人に抜かれてしまったこと。大阪マラソンまでに課題をしっかりクリアしたい」
女子の𠮷薗は改めて、1年後のマラソン挑戦を明言したが、初マラソンの目標タイムは? という質問には答えなかった。
「不安がある中で1時間10分を切ることができたのは、1つ自信にはなります。しかしマラソンになると、ハーフ以降がキツくなります。今回のような中途半端な練習では通用しません」
一方、3月9日の名古屋ウィメンズマラソンに出場する川村は、2時間22分台を目標に掲げていた。そこへの手応えが今回のレースで大きくなったのか。
「そこまで感じられたわけではありませんが、(2週連続ハーフマラソンの)2本目も大崩れせず、悪くありませんでした。あと1か月で距離走とかも踏んで行きます」
川村はスピード型の選手で、長い距離は練習ではあまり走らない。初マラソン前は、1回のメニューでは30kmまでしか走らなかった。しかし今回は一度、40km走を入れる予定だ。初めての40km走を頑張ってください、と声がかかると、明るく「ハイッ」という答えが返ってきた。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
 

















