いま、生活の拠点を路上とするのではなく、別の場所で暮らす“見えないホームレス”ともいえる人たちが、徐々に増えていると言います。住む場所を失った人と、支援する団体を取材しました。
《ホームレスの実態調査で浮かび上がる状況の変化》
1月26日、札幌市役所の会議室に集まる人たち。すでに時計の針は午前2時を回っています。

『北海道の労働と福祉を考える会』 山内太郎代表(49)
「この人数調査なんですけれども、これは国の実態調査の公式な数になります」
札幌市から委託を受けて行う、ホームレスの実態調査です。中心メンバーは、ホームレスの支援を行うボランティア団体『北海道の労働と福祉を考える会』、略して『労福会』です。
毎年1月に札幌市内10か所で、路上や車中で生活するホームレスの人数を調査しています。
この日の気温はマイナス0.4℃。暖冬とは言え、外で寝ると命にかかわるような寒さです。
『北海道の労働と福祉を考える会』 山内太郎代表
「以前は立入禁止(のプレート)はなかったんですよね。(階段を)降りたところで寝てる人が結構いたんです」
代表の山本さんをはじめ、『労福会』のメンバーは、地下道に続く出入口などを一つ一つを調べて回ります。
『労福会』 山内太郎代表
「(暗くて)分からないなぁ…居ないか、居ないですね」
札幌市のホームレスは日中は移動していて、服装も小綺麗なため、ホームレス以外の人と区別するのが難しいといいます。
そのため、調査は、ホームレスが眠りにつく、深夜に行います。
・取材記者
(Q.いらっしゃった?)
・『労福会』 山内太郎代表
「はい」
・取材記者
(Q.傘とかで寒さをしのいでいる?)
・『労福会』 山内太郎代表
「ですかね…風よけのシェルターという感じですかね」