「見た瞬間、これはかなり上手だ」と驚いたのは神戸市の広報担当者。神戸国際大学附属高校の写真部が作った写真集の完成度に、目を見張ったと言います。これをきっかけに、市は写真部に“仕事”を依頼。今回は「通学定期代無料化」のPR写真の撮影というビッグプロジェクトを高校生と共に進めることになったのです。 

 自分たちの撮った写真が街に映し出される…そんな貴重な経験をした写真部に密着しました。

「プロにお願いしても出てこない」神戸市が高校写真部に“仕事 ”を依頼

 神戸国際大学附属高校・写真部。26人の部員それぞれが、独創的なアイデアで写真を撮っていて、兵庫県の最優秀学校賞を3年連続で受賞するなど、近畿屈指の実力を誇っています。

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 例えば、県のコンテスト優秀賞をとった『Press』というタイトルの写真。カラフルな手が顔を覆いつくしている作品です。

 (撮影した写真部2年の金山基柱さん)「LGBTを象徴する色が虹色。『多様性を押しつけられて苦しんでいる人』を表現しました。自分から見たら、それは普通のことやから、押しつけられているという」

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 また、クラスメイトがモデルのクレオパトラをイメージした作品や、力強く走り抜けた瞬間を切り取った躍動感ある作品も。

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 そんな写真に目をつけたのが、神戸市でした。

 (神戸市広報戦略部 多名部重則部長)「きっかけは、この神戸国際大学附属高校が作った写真集。表紙を見た瞬間、これはかなり上手だと」

 市の広報を担当する多名部さんは、部員たちが撮影した学校の魅力を伝える写真集をたまたま手にし、完成度の高さに驚いたといいます。

 (多名部重則部長)「(写真部は)楽しい笑顔が撮れるし、真剣な眼差しのときは、より真剣になっている気がします」

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 多名部さんは、写真部に広報写真を撮ってもらえないかと相談。去年7月、正式にタッグを組むことが決まりました。初めての依頼は、子育て情報の発信などに使用する写真の撮影。予想以上の仕上がりだったといいます。

 (多名部重則部長)「(モデルを)どうやって笑かしたんやろな。こういうのは、なかなか撮れない。プロにお願いしても出てこないと思う」

 滑り出しは上々です。