「耐用年数」はアテにしすぎない方がいい?

 2022年度末には、全国の下水道管の約7%(長さにすると約3万km)が耐用年数の50年を迎えました。その20年後の2042年度末には、約40%(長さ約20万km)の下水道管が50年を迎えます。

 この「下水道管の耐用年数は50年」をアテにしすぎないほうがいいという話も。大阪府都市整備部の下水道室の担当者によりますと、整備が進んだ1970年代~1980年代当時は、「半永久的」だと思われていましたが、後付けで「50年」と設定されました。しかし、管の中には生活排水などあらゆるものが流れて混ざるため、影響が予想しにくい上に、場所によって差もあるといいます。

 また、下水道管は高度経済成長期に都市部から先に整備されたため、実は、都市部の方が破損のリスクが高いということです。

 浦上教授は、工場やレストランなど商業施設からの排水が多い場所は、下水道管を腐敗させる硫化水素が発生しやすいと指摘しています。さらに、大型車の交通量が多い道路は、振動で腐敗した水道管を損傷させることもあるということです。

 しかし、目に見えてわかる予兆はごくわずかだといいます。陥没は徐々にではなく一気に訪れるので、下水道管内に人やカメラを入れて調査しないとわからないということです。