「非常に大きな下水道管」「脆弱な地盤」悪い状況重なり発生か

 なぜ道路の陥没が起きてしまったのか。可能性として考えられる経緯はこうです。

 陥没現場のアスファルトの下には、深さ10mにわたって土砂が詰まっていて、その下に下水道管が通っています。この下水道管が何らかの原因で破損したことで、破損部分に土砂が流入し、空洞が発生。それにより、アスファルトの上を走る車などの重さに耐えきれず、道路が陥没してしまったという流れです。

 下水道管の耐用年数は約50年と言われていますが、事故現場の下水道管は約40年使用されていました。内径は4.75mで、5年に一度、点検が行われていたということです。

 国交省によりますと、2022年度、道路の陥没は1万548件起きていて、そのうち下水道管などが起因するものが約2600件だということです。

 上下水道事業に詳しい近畿大学の浦上拓也教授によりますと、小さな下水道管なら少し穴が開いたとしても、くぼみや小さな穴ができる程度で、車が転落するほどの陥没は起こらないということです。

 しかし、今回陥没が起こった場所にあったのは内径4.75mと非常に大きい下水道管。また、地盤が固い場所であれば、下水道管が破損しても周囲の地盤が支えてくれますが、現場は埋め立て地で地盤が脆弱だったため、下水道管に一気に土砂が流れ込み、大きな陥没事故が起こってしまったのだろうと指摘します。