大やけどした人や栄養失調とみられる乳児被爆後の広島映した映像

焼け野原となった広島の街 Nichiei Eizo/RCC

竹本さんも写る被爆から2か月後を捉えたフィルムは、原爆被害の調査に同行していた日本映画社のスタッフの手によって撮影されたものです。密かに保管され、1993年に東京の倉庫で見つかりました。

見渡す限り焼け野原となった街、大やけどを負い、放射線の影響で力なく横たわる被爆者たち…。2時間近くにわたり、広島の姿が記録されています。

私たちはこのフィルムの所有者と協力関係を築き、映像に写る場所や人物を特定し、取材を重ねて来ました。

フィルムにうつる子どもたちの姿 Nichiei Eizo/RCC

一方で、栄養失調とみられる生後間もない赤ちゃん。大八車や荷台に載せられ救護所へつられてきた少年。診察の順番を静かに待つ女の子…。こうした子どもたちなど、特定に至らなかった人たちも多くいます。

「おんぶの男の子」竹本秀雄さんも、その一人でした。