“1人の子どもの家庭を救えた”…悩む新人職員に相談役が気づかせた「成功」

葛飾区児童相談所の新人職員・杉本さん(仮名)。仕事に悩み、眠れなくなったこともあります。 

新人職員 杉本さん(仮名)
「お子さん、保護者と話すのは、まだまだ慣れないところがあって、4月は寝れなくなったとか、2時間おきに起きていた」

葛飾区児童相談所では、職員の悩みを聞く専門スタッフが常駐しています。

杉本さん(仮名)
「お子さんのために動いてるつもりでも、『何で来るんですか』『なんで話す必要があるんですか』とか怒られたり。お子さんもなかなか話してくれないと八方ふさがりになって、自分の中でため込んで悩みがどんどん増えてしまう」

相談員は杉本さんに成長や、やりがいを気づかせていきます。

相談専門スタッフ
「最初は拒否的だったけど、変わってきた保護者はいますか?」

杉本さん(仮名)
「お子さんの安全を守るために何回も家庭訪問をしていたら、『そんなに私達のことを思うのなら』って連絡がとれるようになりました」

相談専門スタッフ
「成功した例はありますか?」

杉本さん(仮名)
「初めて助言・指導して、(家庭に)受け入れてもらって、嬉しかったんですよね。“自分が1人の子どもの家庭を変えた”ぐらいの気持ちで、出来たと思いました」

相談専門スタッフ
「大変さがあるから、背中合わせに達成感もあるんじゃないかな」

相談員は部屋で待つのではなく自分から職員に声をかけます。

葛飾区児童相談所で働く専門職は約100人。1年前の開始当初、相談員の利用者は月2人ほどでしたが、今は毎月約20人が悩みなどを相談しています。

葛飾区児童相談所 中林貴紀 所長
「ストレスで休職した職員や辞めた職員もいた。ただ今年度から途中でいなくなる方はほぼほぼ無くなった。
より良い相談対応のためには職場に定着してスキルを上げて、専門性を向上していくことが不可欠だと思います」

全国で働く児童相談所の職員たちの半数近くは勤務経験3年以下です。

新人職員 杉本さん(仮名)
「子どもたちの力になりたいという気持ちがあって、お子さんが過ごしやすい家庭環境を、どんな家庭でも作り出せるようにしていきたいなというふうに思っています」