高津さん:
「偉大でしたね」
「ふぐをさばく時もそうですけど、何気なく言われた一言が参考にもなるし、お互いに尊重して色々決めていましたね」

父のふぐへの思いを受け継ぎ、魅力を伝えたい。

その一心で包丁を入れてきました。

高津さん電話:
「よろしくお願いします。14日ですね、お待ちしています。ありがとうございます」

8月末に閉店を決めてから予約の電話が殺到しているといいます。

高津さん:
「大反響をいただいているというか、すごく忙しくて、寂しさよりもバタバタしている方が先に立っています」

夜、営業がスタートすると常連客がやってきます。

高津さん:
「失礼します。ふぐのお刺身をお持ちしました」

高津さんは45年の感謝を込め、店の名前をつけた特別コースを提供します。

鮮やかに盛り付けられたふぐの刺身に、味噌がのった濃厚な白子。


さらに、唐揚げなど思う存分、ふぐを堪能できるコースです。

高津さん:
「これぞふぐというものを揃えたつもりです。集大成みたいなものだと思います」

常連客の女性:
「うーんおいしい」

常連客の男性:
「うまい」「必ずここでフグを食べて、1年の始まりをここで4人でいつも景気づけにして仕事頑張ろうと10年間来ていました」

常連客の男性:
「さびしいですね。おいしいです。唐揚げとひれ酒があうんです」

高津さん:
「こんなに正直最後入ると思っていなかった。本当にありがたいし心苦しいです。申し訳ない気持ちでいっぱいです」

2月からは信州を離れ、県外で調理の仕事を続けるといいますが、この地で、父が始めた店の復活を目指します。


高津さん:
「いろいろ経験をまた積んで帰ってこれたらまた一心の看板を掲げたい」
「何かやるんだったら『もう1回権堂で一心を』やっぱり思いは強いですね」

いつかまた、権堂で。

心に決めて、最後の1日まで看板に灯りをともし続けます。