県の推計に現れない人口流出の実態
石川県は震災後、輪島市と珠洲市で9%程度人口が減少したとしている。
だが柴崎亮介氏は、県の推計よりも人口の減少が進んでいると分析する。実態が数字に出てこない要因をこう話す。

ロケーションマインド 柴崎亮介氏
「(地方)公共団体でみているのは住民票の移転なので、住民票を移すというのは、短期的には戻ってくることは考えられない。『もう移っちゃおう』という決断をされた方を把握されていて、一時的にでも生活の拠点を変えたいという人は、そこ(住民票)まで普通やらないので、いわゆる自治体ではわからない。一時的には生活圏を動かさないと厳しい。そういう現実がかなりちゃんと見えているのではないかなと思います」
柴崎氏の分析を裏付けるのが、輪島市と珠洲市の小中学生の数だ。

教育委員会によると震災以降子どもの数は3割ほど減ったが、その3分の1程度は住民票を残したまま市外へ転校したという。
人口の増加と道路や家屋の整備の関係を分析することが大切だと話す。
ロケーションマインド 柴崎亮介氏
「どのくらい家が戻れば人も帰ってくる。人が帰ってくるためにはこのくらい建て替えが進まないと厳しいんじゃないか。そういう関係はかなりちゃんと見えてくると思います。今後どんどん復興が進むに従って、どれくらい(復興が)進んだかというのをみるいい指標かもしれません」
村瀬健介キャスター
「そうすれば、どこにリソースをかけるのが効率的なのかということがわかってくるわけですね?」
ロケーションマインド 柴崎亮介氏
「少なくとも『帰ってきてください』という意味において、どれが効率的・効果的かよくわかってくるはずです」
なぜここまで復旧に時間がかかっているのか。輪島市の坂口茂市長が取材に応じた。

輪島市 坂口茂市長
「(崖の)上からの崩れと、道路の下の部分も崩れると、復旧はなかなか大変です。極めて厳しい。工学的に土木的に困難な道路工事だったので、時間はかかったということです」
さらに地形の影響もあったという。
輪島市 坂口市長
「能登半島の先端にあるという地形的な特徴があって、そこが原因になっていると感じています。1本道で縦に入ってこないといけないということで、先端に入るのに発生当初は片道十何時間かかっていました。通常は2時間で来れるところ」
今後の見通しをこう語った。

輪島市 坂口市長
「今後輪島市がどうなるのか、色々な見通しや希望を見いだせないと、ここに生活するというのは苦しくなってくる。住まいだけではなく生業、仕事が再建されないと住むことができない。未来に希望をもてるような復興を、しっかりと計画に基づいて色々なものをやっていきたいと思います」














