職と住まいを失い…「地震で頑張ってたら、急に水害。もう終わりですね」
輪島市の中心部も地震と豪雨の両方の被害が大きかった。

職と住まいを失った宮腰治雄さん(68)は、輪島市内の繁華街で居酒屋「山海」を営んでいた。
宮腰さん
「2024年の準備して、全部掃除して、2024年から新規頑張ろうと思ってました。一瞬にして終わりですね」

40年前、夫婦で始めた大切な店。地域の人に愛され、連日多くの客で賑わっていた。地元の情報誌に特集を組まれたこともあった。
宮腰さん
「無我夢中でやってきましたね。予約せんと入れない状態のときもありました。急に震災になったもんで、いきなりできなくなっちゃうと寂しい思いもありますね」
店を切り盛りしながら農業を営み、自分で作った新鮮な野菜や米を使った郷土料理を振舞っていた。

しかし、豪雨が宮腰さんの田んぼや畑を飲み込んだ。地震で自宅も、食料を保存していた蔵も1000万円以上かけた農機具も全て潰されてしまった。
68歳という年齢と、開店資金のことを考え、店の再開は諦めざるを得なかった。40年の歴史に幕を下ろした。

宮越さん
「もうお店無理かなって感じになってきた。振り返るとさみしい気持ちもありますし、地震で頑張ってやっていたら、急に水害になって、もうダメだって。もう終わりですね」