南海トラフ地震臨時情報の発表
その南海トラフ地震についてであるが、24年8月8日、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報」を発令した。
この日の午後4時40分頃、宮崎県日向灘で、最大震度6弱の地震が発生。その8分後、気象庁からは「南海トラフ地震臨時情報」に関し「調査中」であることが発表される。その上で、約3時間後には、気象庁からは「巨大地震注意」の発表がなされた。新たな地震が起こる可能性が平常時よりも高まったということでの発表だった。
ただ、この「南海トラフ地震臨時情報」による「巨大地震注意」の発表とはいっても、その発生の確率は決して高くない。そのことがあわせて報じられたものの、東海道新幹線は一部区間で速度を落として運行。また、海水浴場の閉鎖も相次ぎ、和歌山県の白良浜では砂浜への立ち入りも禁止された。
「南海トラフ地震臨時情報」が世間にまだ慣れ親しんだものでなかったこともあり、放送局の側も、慎重に事実のみを伝えるよう対応したが、社会の反応は小さくはなかった。
この「南海トラフ地震臨時情報」による「巨大地震注意」の発表は、2019年にこの制度の運用が始まって以来、初めてのこと。社会に対するインパクトも含め、報道機関も、その扱いにまだ慣れていないがゆえの社会反応だったと言える。今後、この巨大地震注意の発表は、その経験と蓄積のなかで、反応を掴んでいくことになるのだろう。