「誰もいない」進む人口流出、能登で6000人減少

仮設住宅の整備と入居は進み、公費解体も4割が終わりましたが、多くの人が自宅の再建に踏み出せずにいます。

輪島市東部、南志見地区の浜田栄八さん。

南志見地区は7割の建物が半壊以上となり、地震と大雨の際は一時孤立しました。

9月の大雨直後、ようやく入れた現地は…

浜田栄八さん(70)
「これはもっと上流にあった家。(Q.家の屋根ですよね?)もっと上から流れてきた」
「(Q.ここに家はなかった?)ここ川や」
「うちらの集落は破壊的で終わりや」

年が明け、がれきは大半が撤去され、塞がれていた川も見えるようになりましたが…

浜田きくゑさん(72)
「(Q.人はどうですか)誰もいない」

浜田栄八さん
「普段はうちら1軒だけでここにおる。みんな戻りたいという気持ちは持っとるやろうけど、もはやここを諦めて金沢とか行った人もいる、現実に」

復旧の遅れや経済的な理由から住まいの再建は進まず、住民の流出が加速。能登の人口は1年で6千人以上減りました。

浜田栄八さん
「南志見地区全体で運動会なり祭りなり、みんなで集まってわいわいと、田舎なりに結構にぎやかだった」

浜田きくゑさん
「寂しい、寂しいね、父ちゃん」

消えた“人の賑わい”。それを取り戻そうと奮闘する人がいます。この地区に暮らす奥田和也さん。ある“試み”を始めました。