いま、幅広い世代で増えている病気のひとつが「帯状疱疹」。季節の変わり目に増えるといわれ、皮膚の表面に突然、体にピリピリと刺すような痛み、発疹や水ぶくれが出て、中には、眠れないほどの痛みがあるのが特徴です。このワクチンについて、厚生労働省は65歳を対象にした定期接種を2025年4月から始める方針を決めました。

ところで、この病気、20代から40代の働き盛りの世代で増えていることをご存じでしょうか。「なるのは、一生に一度だけ」と聞いたことはないでしょうか。あまりの痛みから「体を一周したら死ぬ」なんて、恐ろしい話を耳にしたことはないでしょうか。まだまだ、分からないことが多い、帯状疱疹にまつわるさまざまなウワサの真相を実際に経験した“アラフィフ記者”が調べてみました。

まさか、再発するなんて…

「うわぁ、何だこれ…」。ある朝のことでした。記者は洗面所の鏡に映る赤く腫れあがった額を見て、がく然としました。どことなく、右目の周りにも違和感があります。「これはまずい」と向かったのは、かかりつけの皮膚科でした。

先生は私の顔を見るなり、「これは帯状疱疹ですね」とすぐに判断。

「きのうから、髪の毛の生え際がヒリヒリしていて、擦りむいたのかと」
「それは帯状疱疹の兆候です」

なるほど。確かに連日仕事が立て込んでいたし、太ももの時は、ピリピリが何日も続いていたけれど…あれっ?

「帯状疱疹って、一生に一度じゃないんですか」
「再発はあります」

記者はこの1年前に、帯状疱疹を経験していました。出たのは右太もも。耐えがたいほどの痛みこそなかったものの、何日も続く「ピリピリ感」に困り果て、病院へ。「帯状疱疹」と診断された時は、なぜかホッとしたことをよく覚えています。

1週間、抗ウイルス薬を飲み続けると痛みも自然と消えていました。「帯状疱疹は一生に一度だから、この程度で済んでよかった」と思っていたのに、まさか“再発する”なんて思っても見ませんでした。