2025年最初のスポーツ日本一が決まるニューイヤー駅伝 in ぐんま(第69回全日本実業団対抗駅伝競走大会。群馬県庁発着の7区間100km)。大会2日前の12月30日、区間エントリーが発表された。

前回優勝のトヨタ自動車は1区に吉居大和(22)、2区に鈴木芽吹(23)と強力新人を配置。3区に前回エース区間の2区区間賞の太田智樹(27)、4区にやはり新人のサムエル・キバティ(19)、5区に22年オレゴン世界陸上マラソン13位の西山雄介(30)、6区にも新人の湯浅仁(23)、そして7区に前回5区区間賞の田中秀幸(34)が入った。

熊本剛監督は「2区でトップに立った前回のように、簡単には行かせてもらえないでしょうけど、5、6、7区のどこかで抜け出せたら」という展開を期待する。

◇ニューイヤー駅伝(1月1日)の区間と距離、中継所
1区 12.3km 群馬県庁~高崎市役所
2区 21.9km高崎市役所~伊勢崎市役所
3区 15.3km 伊勢崎市役所~三菱電機群馬工場
4区 7.6km三菱電機群馬工場~太田市役所
5区 15.9km 太田市役所~桐生市役所
6区 11.4km 桐生市役所~伊勢崎市西久保町
7区 15.6km 伊勢崎市西久保町~群馬県庁

優勝メンバーから連続出場は3人、大会史上最少タイの人数

前回優勝メンバーから連続で走るのは太田、西山、田中の3人だけ。前回1区の大石港与が引退し、3区の田澤廉(24)と7区の服部勇馬(31)が、ともに故障の影響から回復しきれなかった。それに加えて吉居、鈴木、キバティ、湯浅と強力新人4人が駅伝を良い状態で迎えていた。

しかし優勝メンバーが、翌年3人しか出場しないケースは珍しい。過去のデータを調べたところ、大会史上最少タイの人数で、過去には大会草創期の1950~60年台に2回あったが、群馬開催となった88年以降では1回(93年優勝の旭化成)しかない事例だった。優勝メンバー7人のうち、翌年の出場者数は平均で5.03人である。

鈴木と吉居が実業団でもトップレベルであることは、こちらの記事<https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1641917>で紹介した通り。トヨタ自動車が優勝候補であることに変わりはない。代表経験のある服部と田澤が外れてしまったが、太田が10000mでパリオリンピック™を、西山はマラソンで日本代表を経験している。新人の鈴木は24年の実績から、25年の世界陸上10000m代表入りを具体的に考え始めた。同じく新人の吉居も今後、代表候補になっていくはずだ。キバティも「世界陸上東京の5000m出場」と自社ホームページに記載している。

太田が故障で練習が十分に積めない期間があった影響で3区に回ったが、「フレッシュな2人が前の方で来てくれる」と会見で話せるくらい、ルーキー2人を信用している。連続出場“3人”という数字はトヨタ自動車が、日本トップ選手を数多く擁するチームであることを物語っている。ニューイヤー駅伝優勝と「世界で戦うこと」(熊本監督)が、トヨタ自動車の2大目標である。