高裁判決は量刑を職権で検討「“人生を破壊”はいささか過剰な評価」1審判決を破棄
その後、1審判決には事実誤認があるとして、被告側が控訴。
大阪高裁(坪井祐子裁判長)は、2024年12月24日の判決で、事実誤認の主張は退けたものの、職権で量刑について検討しました。
高裁判決は「性犯罪の中に重大な精神的被害が伴うものが少なくないことは、従来から承認されている」「1審判決は、人生を破壊する結果をもたらしたとみても過言ではないなどと説示しているが、いささか過剰な評価といわざるを得ない」などと指摘。
▽同種の事案の量刑の上限が、おおむね懲役14年~15年であることや、▽懲役20年という量刑は、虐待による傷害致死の量刑(現状では懲役16年が最も重い)もはるかに上回っている点を踏まえ、「(1審で)裁判員を含む裁判体において、被告の責任が非常に重いと判断したことは尊重されるべきで、同種事案の量刑の幅の上限、すなわち懲役15年程度で処遇することまでは許容できるとしても、これを大幅に超えることは、従来の量刑傾向から合理的な理由のない著しい乖離であり、重すぎて不当である」と判断。
1審判決を破棄し、被告の男に懲役15年を言い渡しました。
大阪高裁によりますと、被告側は即日、最高裁に上告したということです。
(MBS大阪司法担当 松本陸)