県教委「ほかの職務違反も」
9年前の懲戒免職処分の取り消し決定に対し、県教委は「厳粛に受け止め、林田氏に真摯に対応していきたい。懲戒処分の再検討を進めたい」とコメントしています。
2015年7月 長崎県教委会見
一方で県教委は林田さんの懲戒免職処分は、4つの違反に対するものだったとしています。
【県教委が主張した職務命令違反】
・公務災害虚偽申請→事実誤認
・部活動指導手当の不正受給
・上司の許可なく公文書を配布(公文書流出)
・顛末書の作成拒否(職務命令違反)
今回最高裁が認定したのは、「公務災害虚偽申請」の事実誤認のみ。他の3つの違反については、逆に県教委の認定が一部、または全面的に認められているとして、「残り3つも鑑みて、林田さんの免職処分を取り消すか検討する」としています。
「休日に4時間以上直接指導した場合」支払われる部活動指導手当の不正受給について、林田さんは「校長から手当のルールについて説明を受けたことはなかった」と主張しています。
寿司屋ではなく教師の夢へ
最高裁の決定を受けた説明会では、林田さんの教職への思いも語られました。
実家がすし屋だった林田さんは中学校を卒業したら「板前の修業に行くもんだ」と思っていたと言います。しかし母の希望もあって高校に進学、勉強の面白さに気づき一浪で立教大学経営学部に合格しました。
勉強するきっかけをくれた高校の恩師が英語の先生だったことから教師をこころざし青山学院大学に編入、25歳で念願だった高校教師になりました。