「性行為には同意があった」同僚からの二次被害も  

“事件関係者に生じたあらぬ疑い”とは、Aさんが初公判後の会見で主張した、同僚からの“二次被害”のことだ。

被害を訴える 検事Aさん
「今回の事件の関係者である女性副検事が、内偵捜査中の時点で、被告人側に捜査情報を漏洩し、被告人が当初弁解していた内容に沿う、事実と相違する供述をしていたことが分かりました」

事件当日、Aさんとともに懇親会に出席していた女性の副検事。

かつて北川被告の秘書だったこの副検事が「性行為には同意があった」と周囲に広めたり、北川被告に捜査情報を漏らしたりしたと、Aさんは会見で訴えたのだ。

彼女とは大阪地検の同僚で、二人で食事をする仲だったというが、裁判に向け、事件の証拠資料を閲覧するなかで、この副検事の供述を目にしたとAさんは話す。

被害を訴える 検事Aさん
「私は彼女を信頼していて、彼女も正義感の強い方だと思っていたし、彼女は私を応援してくれていたし。女性副検事がまいた誹謗中傷の嘘が広まっていって、私が信頼していた(別の)上司までもが誹謗中傷して、『(北川)被告人が可哀そう』という発言をしていたことも、本当に人間が怖くなりました。検察庁が怖くなりました」

10月、Aさんは女性副検事を名誉棄損などの疑いで、大阪高検に告訴・告発。

一方、北川被告をよく知る検察OBは。

大阪地検元幹部 
「北川は当初、罪を認めることで保釈され、被害者との示談が成立して、執行猶予付きの判決が出るという筋書きを描いていたんだろうが、その通りにならなかった。さらに、かつての部下だった女性副検事が訴えられ、北川も『これはいかん』となったんだろう」

北川被告をよく知る検察OB
「無罪を勝ち取るのは難しくても、自分の主張を少しでも認めてほしい。それが彼の心の内でしょう」

自らが受けた誹謗中傷について、検察庁に調査を申し立てたことを明かした、Aさん。孤軍奮闘する姿を、傍で支え続けているのが家族の存在だ。

被害を訴える 検事Aさん
「ママ、離れちゃ駄目ね、とか。お仕事がんばってね。大好き。帰ってきたらぎゅうしてね、ありがとうとか」

自身に宛てられた、子どもからのメッセージ。
Aさんは、この手紙を持ち歩き心の支えにしてきたという。

被害を訴える 検事Aさん
「子どもは私が検事であることを、すごく誇りに思ってくれていて、私が裁判に立ったとき、一回見に来てくれたんですけど、母が闘う姿にすごい喜んで嬉しく思っていて。『検事になりたい』と当時まだ幼かったですけど、言ってくれて」

北川被告からの性加害は伝えずにいたが、休職したことをきっかけに、事実を打ち明けたという。

被害を訴える 検事Aさん
「『もっと早く訴えたらよかったのに』『そんなに我慢しなくても訴えたらよかったのに』と子どもが言ってくれて。その後は子どもも受け止めきれないのか、その話を避けるようになって。でもボディタッチをしてくれるようになって、子どもなりの慰めをしてくれている」