帝国滅び100年以上…今も皇帝の馬車を引く白馬育成

育てているのはグラドルバーという品種

2番目が、チェコの世界遺産「クラドルビ・ナド・ラベムの儀式用馬車馬の繁殖と訓練の景観」。ハプスブルク帝国時代に皇帝一族の馬車を引く白馬を育てるために作られた牧場で、帝国が滅んで100年以上経った今でも馬を育て訓練しています。

チェコの世界遺産「グラドルビ・ナド・ラベムの儀式用馬車馬の繁殖と訓練の景観」

「ひとつの牧場が世界遺産」というだけでも他に類を見ない変わり種。さらに、ウィーンの王宮や美術館・博物館などハプルブルク家が残したものはいろいろありますが、この牧場のように往時と変わらず現役で稼働しているものはそうそうないと思います。

馬車を引く訓練

ハプスブルク帝国の領土だったチェコは、その後社会主義国になった時代もあり、社会主義的価値観とは相容れない「王族の馬車を引くための白馬」を守っていくのがいかに大変だったか…馬車ではなく田畑を耕す馬鍬(まぐわ)を引いたりする使役馬として生き延びたといいます。歴史の荒波を越え、16世紀から450年以上続いてきたこと自体が心に残りました。