■トンガ国王には火山噴火のお見舞いを
さらに20日の国葬後にもレセプションが開かれました。このレセプションには両陛下で出席されました。
国葬の席で隣となったマレーシア国王夫妻、ブータン国王夫妻、トンガの国王陛下と親しく話されたということです。トンガの国王陛下には火山噴火のお見舞いを伝え、両陛下が戴冠式に招かれたお礼を伝えたそうです。

2015年7月、天皇皇后両陛下(当時皇太子)はツポウ6世の戴冠式に出席されるためトンガを訪問されました。

療養中の雅子さまにとっては、2013年4月のオランダを訪問以来2年2か月ぶりの海外公務で、両陛下はトンガの温かいもてなしに深く感謝されていたということです。
■通訳無し、側近無しで直接会話も
国葬後のレセプションの映像がないのが残念です。会場には側衛官、侍従長、通訳も入れませんでした。両陛下は多くの王族、国家元首らと直接言葉を交わされたのです。
両陛下の元には、これまでに交流があった人、無かった人、次々といろいろな人があいさつにきたようです。両陛下は時間の許す限り、言葉を交わされました。具体的な名前が明らかにされない方も多いのですが、数カ国の大統領夫妻、英国の外務大臣、貿易大臣、教育大臣のほか、メイ元首相。また陛下はパナマのロヨ元大統領のことをなつかしそうに側近に話されたそうです。ロヨ元大統領は、1980年に陛下の成年式の宮中晩餐会や国賓として、日本に招かれています。
■宮内庁長官「両陛下のご訪問本当に良かった」

西村宮内庁長官は両陛下帰国後の9月22日の記者会見で次のように述べました。
「両陛下が代表する国民の弔意は、英国王室そして英国民に十二分に伝わったと思います。また今回の国葬には世界中から多くの国王、大統領と元首クラスが参列しましたけれども、両陛下はこうした多くの参列者と交流を深められたことにより、国際社会における日本の皇室の存在感をお示しになったものと考えています。今回、両陛下にご訪問いただいて、本当に良かったと率直に感じているところであります」
皇室の海外訪問は「外交交渉」ではなく、あくまで「親善」です。長く続く交流の中で培われていくものです。コロナが流行してしまったため、2017年の上皇ご夫妻のベトナム公式訪問以降、5年以上、両陛下による海外公式訪問が途絶えていました。
今回の両陛下での国葬出席のためのイギリス訪問は、皇室による国際交流の素晴らしさを改めて感じさせるものとなりました。