フィギュアスケートのGPファイナルから一夜明けた7日、日本選手が囲み取材に応じた。

2月のミラノ・コルティナオリンピック™代表入りをかけ、女子シングルは最終選考会の全日本選手権(19~21日)で熾烈(しれつ)な争いが予想される。

ファイナル初出場で銀メダルを獲得した中井亜美(17、TOKIOインカラミ)は「まだ全く実感が湧いていない」と気持ちを明かし、「すごく緊張感がある中であれだけの演技が出来たことは成長している証でもあり、実力がついてきていると感じているので、そこは自信を持って良いかな」とシニア1年目で大きく成長した17歳は、五輪切符も射程圏内に。

一方、ショート自己新の首位でスタートした千葉百音(20、木下グループ)は、フリーでは2度のジャンプの転倒が響き総合5位。不本意な結果となった千葉は「自分の中でだんだんゆっくり消化できている」と話しつつ、ファイナルを振り返ると大粒の涙がこぼれた。「緊張している自分が弱いと思って、それを強がって(緊張を)自覚しようとする姿勢から逃げてしまった」と声を絞り出し、「悔しさを忘れずに2度とこんなやるせない気持ちで終わらないように」と全日本での巻き返しを誓った。

ショートでジャンプのミスにより5位発進だった坂本花織(25、シスメックス)は、フリーでは1位の演技で挽回し、銅メダルを獲得。穏やかな表情で現れた坂本は「ホッとしました」と、自身の結果に胸をなで下ろした。今季で現役引退を表明している坂本は、全日本の目標を聞かれると「いやぁもう1位で。北京(五輪)同様一発内定でいけるように。1分でも1秒でも安心したい。早く安心したいので、もう気が気じゃないので、なんとしてでも優勝して終われるようにしたいです」と意気込んだ。

今大会6位ながらショート、フリーで計3本のトリプルアクセルを着氷させた渡辺倫果(23、三和建装/法大)は、「世界で一人だけしかアクセル3本をやっていない。やってきたプライドはありますし、そのプライドを正しいものにするためには成功するしかないので、全日本までの10日間しっかりやっていけたら」と強い思いを口にした。

※写真:坂本花織選手