渡部ゆうこさん
「8年前に私、ちょっと脳の病気をして、それで療養している時に『なんか、塩炊きだったら出来るかも』って思って、それまでのいろんな仕事、全部辞めて。
塩爺に電話して、『塩焚きがしたい』って言ったら、『来いや』と」
「塩爺」こと、荊尾衛さん、85歳。
この場所で20年以上に渡り塩作りをする塩爺に、渡部さんは弟子入りしました。

Q.師匠は「体で覚えさせる」と?
「そう、あんまり教えてくれない。『はい、弱火です』とか、『はい、とろ火です』とかが、ガスと違ってできないから、そこの調整で全然ほんとに、仕上がりの味というか、舌触りが違ってくるんですよ。そういうのはもう『見て覚えろ』というか」
"塩爺"こと荊尾衛さん
「私は皆さんに、なぜこんなにおいしい塩ができるかということは、あえて言わない。自分たちが作って、おいしい塩になればいいわけだから。それをだんだんと、彼女は盗みつつあると思う。
自然の力によって、われわれは生かされている。そのことをやっぱり、しっかり塩作りを通して学んで欲しいな」
そんな塩爺や渡部さんの塩作りに賛同する仲間も増えつつあります。