■「ロシアという国はまた必ず変わってくる」“融和”は再び起きるのか
ウクライナで戦争を続け、権威主義的な国家との関係を強化しているプーチン政権。国内では政権の意に沿わない言論を抑え込み、言論の自由や西側との融和を目指したゴルバチョフ氏とは真逆の方向に突き進んでいるように映る。
それでも、名越教授は「風前の灯だが、ゴルバチョフ氏が残した価値観は残っている」とみている。ロシアがウクライナ侵攻を開始した直後、モスクワの「ゴルバチョフ財団」が声明を出し、戦争反対と即時停戦を呼び掛けた―と指摘。名越教授は「ロシアという国はまた必ず変わってくる。プーチン氏が倒れれば、その後に親欧米主義に多少また戻ってくるだろう」と展望する。
高齢化が進む北方領土の元島民のためにも、融和のきっかけがどうであれ、一日も早くその一歩が踏み出されることを願わずにはいられない。
TBS外信部 竹村研人
筆者略歴
長野県の新聞社で勤務したのち、2016年、故郷の北海道にUターンし北海道放送(HBC)入社。2022年8月からTBS外信部。