端島が崩れる

加藤産業・木寺修工事部長:
「崩れ落ちる。吸い出されて波で洗掘されて、中の埋め立てたものがどんどんどんどん流されていって空洞化して、最後はパタンとなるおそれがある」

端島を15年以上研究している長崎大学の出水享工学博士も、護岸の劣化が端島の存続を危うくしている現状を指摘しています。

長崎大学・出水享工学博士:
「端島は『波』との戦いが一つの歴史にも刻まれています。風だけではなく、遠くで発生した『台風のうねり』も島を襲っています。災害・波によって護岸の破壊が繰り返されているので、あれだけ大きな頑丈な護岸でも島自体を壊す大きな影響要因の一つになっています」

島を襲う「波」は建物や桟橋だけでなく、海中の護岸をも浸食しているのです。

前例なき挑戦

この水面下の危機に立ち向かう工事が、2023年から始まっています。長崎市から工事を委託されたのは建設会社「Factory」と「加藤産業」の共同企業体です。

こちらは工事のイメージ図です。(「画像を見る」から見ることができます)

岩礁の上に立つ既存の護岸が「波」によって劣化していることから、まずは島の東西2か所に幅およそ20メートルのコンクリート壁を作って補強します。

工事はことし9月までに第1段階が完了。しかし、それからわずか3か月の間にも、想定を上回る波の影響が端島を襲っていました。